■ 選評−久保田晃弘
ポスト・アクティビズム時代のネットアートは、デジタル表現の原点である「アルゴリズム」と「データベース」に回帰しつつあるように思える。
ポータブルなラップトップ・コンピュータの処理能力はかつてのスーパーコンピュータの性能をしのぎ、今日のインターネットは私たちにとって最も身近で、最も巨大なデータベースとなった。
データベースは素材であり、アルゴリズムはインターフェイスである。量と速度から生みだされる新たな質に着目しなければならない。
今回グランプリに輝いた「onewordmovie」は、ネットアートにおけるミニマリズムである。
最低限のインターフェイス、最低限の機能、最低限のドキュメンテーション、最低限のサイトデザイン
――ネット上の膨大な画像アーカイヴとマシン上の高速なアルゴリズムが新たな映像をつくりだす。
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