■ 選評−マーク・アメリカ
今年のProject netartsの大賞は、”conch.jp”が受賞するべくして受賞したといえるだろう。
この作品は、落ち着いた雰囲気を持ち、映画的であり、ユーモラスでもある。ありきたりな表現だが、この作品に入り込んでいくことは、まったく別の心理地理学的な領域に踏み込んでいくようである。非常に創造的なFlashのスクリプティングによって人の精神状態を表現している。
この作品の映像は一瞬にして鑑賞者を、見慣れてはいるものの、どこか異様に配置されたものたちの世界へと、ネットを介して旅に連れ出してくれる。そこでこっそりと、我々の普遍性についての秘密を教えてもらっているような気分にさせてくれる。そして、この作品を体験することが純粋に楽しいということが、何よりも重要である。
“Thedisagreeinginternet”はシンプルかつ上品な方法で、サイバースペース上で我々が過ごすハイパーメディアな時間に異議を唱える作品である。
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