T. A. Z.
The Temporary 
Autonomous Zone, 
Ontological Anarchy, 
Poetic Terrorism

Hakim Bey


    



 本書は、Hakim Bey, T.A.Z. THE TEMPORARY AUTONOMOUS ZONE, ONTOLOGICAL ANARCHY, POETIC TERRORISM, 1985, 1991, Autonomedia の全訳である。原著において用いられているイタリック体、大文字標記、" "は、すべてそれぞれ〈〉、太字、「」に置き換えた。登場する固有名詞は、もっとも一般的であると思われる表記に統一するように努めた。訳注としては[]を用いたが、原著においては注釈が一切なされていないことから、訳書においても最小限に留めた。それは例えば、日本で未紹介と思われるもの、あるいは訳者が想定した読者層に馴染みが薄いと考えたものである。

 また、Autonomediaによる原著の補助として、インターネット上で公開されているテキストを用いた。

 ※ここで紹介される日本語訳は、1997年にインパクト出版会から刊行された『TAZ 一時的自律ゾーン』のテキストをhtml化したものです。同書は縦組みでしたが、html化にあたって横組みに変更しました。校正の最終段階でなされた訂正はすべて取り入れたつもりですが、刊行されたテキストと完全に一致していないかも知れません。また、翻訳当時から数年を経て明らかになった誤訳、 「奇妙な言い回し」等々は訂正されています。刊行されたテキストでつけられたルビは、基本的には( )として後置してあります。

 


目次

 

謝辞

日本語訳への序文

 

カオス:存在論的アナーキズムの宣伝ビラ

 カオス

 詩的テロリズム

 狂気の愛

 野生の子どもたち

 異教信奉

 アート・サボタージュ

 アサッシン派

 花火

 カオスの神話

 ポルノグラフィー

 犯罪

 魔術

 広告

 

存在論的アナーキー協会のコミュニケ集

 第一コミュニケ   T.地下鉄の落書きやその他の目的のためのスローガンとモットー

             U.「コンセプチュアル・アート」の王国にあって未だに痛ましくも萎びている詩的テロリストのいくつかの思想

 第二コミュニケ   カリカク家を記念するボロ&カオスのアシュラム:一つの提案

 第三コミュニケ   ヘイマーケット問題

 第四コミュニケ   世界の終わり

 第五コミュニケ   「知性的なS/Mは八〇年代のファシズムである−アヴァンギャルドは糞を食べるし、それを好む」

 第六コミュニケ   T.黙示録のサロン:「秘密の劇場」

             U.殺害−戦争−飢饉−強欲

 第七コミュニケ   心理的旧石器時代とハイ・テクノロジー:立場表明

 第八コミュニケ   カオス理論と核家族

 第九コミュニケ   二重の告発 T.キリスト教

                     U.妊婦堕胎権支持者と反対者たち

 第一〇コミュニケ 本会議は新しい告発を布告する−予期された粛清

 第一一コミュニケ 特別休暇シーズンの食物について ラント:ライトを消せ!

 ハロウィーン特別コミュニケ 革命的行為としての黒魔術

 特別コミュニケ  AOAは、カオス・ムーヴメントにおける粛清を予告する

 ポスト・アナーキズム的アナーキー

 黒い王位と黒薔薇 アナーキズム的君主制とアナーキズム的神秘主義

 暗黒の時代への教え

 死の再生産に反対する

 シュールレアリスムの紛れもない廃棄通告(ハリー・スミスへ)

 不思議な宗教の大会議に向けて

 中空な地球

 ニーチェとダルウィーシュたち

 一九九〇年代に向けた分析:警官の文化をボイコットせよ!!!

 

TAZ/一時的自律ゾーン

 海賊のユートピア

 革命を待ち受けること

 日常生活のサイコトポロジー(心理位相幾何学)

 ネットとウェブ

 「クロアタンへと去りぬ」

 組織原理としての音楽

 消滅としての権力への意志

 情報のバビロンの中のネズミの巣

 

補遺

 A.カオス言語学

 B.応用快楽説

 C.特別引用