■授賞の言葉
この賞は、わたしにはとても喜ばしいものです。"Ping Melody"で、わたしはインターネットとサウンドとに専念しているのですが、ご存じの通り、大半のインターネット・アーティストたちは画像を表示するためにインターネットを用いているからです。ですからわたしは、このような良い評価を受けるとは思っていませんでした。そしてなにより、わたしのパフォーマンスは実験的なプロジェクトなのです。
わたしは自分のパフォーマンスを、インターネットの「下/under」の作品だと思いたい−−−インターネットの「上/on」でも、「中/in」でもないのです。わたしは、インターネットの核心にある軍事目的の基礎構造や、当初は軍事目的のために創り出されたソフトウェアに手を加えたプロトタイプを使うことを試みています−−−当時のコードやインフラをリサイクルすることは時には大変困難ですが、わたしは、高価で今日的なテクノロジーを使うことよりそちらの方に魅力を感じています−−−わたしの作品もまた、テクノカルチャー的なサボタージュなのです。それゆえわたしにとっては、ハイテク指向のメディア・アート界、特に日本のそれからの評価は、非常に興味深いものがあります。わたしは未だに、自分を「パンク」だと思いたいのですが、それは彼らが、巨大で、産業界によってサポートされたプロジェクトとは正反対のことをしているからなのです。
パヴェル・ヤーニッキ
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