ハロウィーン特別コミュニケ
SPECIAL
HALLOWEEN COMMUNIQUE
革命的行為としての黒魔術
Black
Magic as Revolutionary Action
香水と混ぜ合わされ、できれば黒い雄鳥から採った血を加えた、混じりけのない本物のサフランのインクを用意すること。そして静かな部屋の祭壇に、そのインクの壷、鉄先のペン、七本の黒い蝋燭、香炉、そして安息香を供えること。呪文はまっさらの紙あるいは羊皮紙に記されるだろう。水曜日の午後四時、北を向いて図式を書き記すこと。紙からペンを離すことなく、滑らかに一息に、息を止め、舌を口蓋に押しあてながら、七つの頭を持った図式(図版参照)を書き写すること。これは、インドネシアの〈バリサン・ラクサマナ〉、あるいはジン[第一コミュニケを参照]の王の絵である。それから、「ソロモンの封印」(五つの頭を持ったジンを表す星)と図式の残りの部分を描くのだ。ソロモンの封印の上に、呪われるべき個人や組織の名を記すこと。さあ、その紙を安息香の蒸気にさらして、〈あなたの内部の〉白いジンと黒いジンとを呼び出すのだ。
ラーマンの神にかけて、ラーヒムの神にかけて
サラーム・アレイクム
おお、白いジンよ、モハメッドの光
我が内部のすべての聖霊の王よ
おお、黒いジンよ、我が影よ
来たれ、そして我が敵を破壊せよ
−−もし、そうせぬならば
アラーを裏切ったと見なそうぞ
−−この呪文の功徳にかけて
ラ・イラハ・イッラッラー
モハンマド・アル=ラスール・アラー
もし、呪いが個人の迫害者を狙ったものであれば、蝋人形が用意され、その中に呪文が押し入れられるだろう(図版参照)。
そして、七本の針が頭頂部から下に向け、左右の脇の下、左右の臀部、そして唇あるいは鼻筋を貫くように射し込まれる。その人形を白い経帷子で包み、敵が確実にその上を歩くであろう地中に埋め、同時にその場所の地霊の援助を乞うこと。
ラーマンの神にかけて、ラーヒムの神にかけて
サラーム・アレイクム
おお、地球のジン、泥の精霊よ
おお、地下に暮らす、黒いジンよ
聞くがよい、土の吸血するものよ
我はそちに命ずる、……の身体と魂とを
追尾し、破壊せんことを
我が命令を、心に留めよ
なぜなら、この呪いの功徳にかけて
我こそは真実無二の魔術師であるのだから
ラ・イラハ・イッラッラー
モハンマド・アル=ラスール・アラー
しかしもし、その呪いが機関や会社へ向けられたものであったなら、次の品目を集めよ。堅ゆで卵、一本の鉄の串、そして三本の鉄のピン(串とピンとは卵に刺すこと)、そして、乾燥したサソリ、トカゲ、それに加えて/あるいは昆虫、それから、墓場の土、磁気を帯びさせた鉄の充填物、阿魏(アサフェテダ)[イラン、アフガン原産の薬用植物とその樹脂]を入れ、赤いリボンで結ばれたセーム革の小袋。呪文を書いた紙を黄色い絹に縫い込み、赤い蝋で封印すること。それらすべてを広口瓶に入れ、コルクで栓をし、赤い蝋で封印せよ。
そうしたならば、その瓶は慎重に包装され、目標となる機関へと郵送される−−例えばキリスト教のTV伝道番組、『ニューヨーク・ポスト』、ミューザックの会社、学校や大学などへ−−以下の見解のコピーを添えて(その他のコピーはその個々の経営者へと郵送されてもよいし、その周囲の土地に内密に送りつけられてもよいだろう)。
マレーの黒いジンの呪い
この土地一帯は、黒い魔法使いにより呪われている。この呪いは、正しい儀式に則って命を吹き込まれた。この機関は、それがイマジネーションを抑圧し、知性を汚し、芸術を退化させ、そして無感覚へ、精神的な奴隷状態へ、「国家と資本」のためのプロパガンダへ、清教徒的な反動へ、不正な利潤へ、嘘へ、そして美学的荒廃へと堕落させた咎によって呪われたのである。
この機関の経営者は、今や危機のうちにある。個人は誰も呪われてはいないが、しかしこの〈場自体〉が悪運と激しい憎しみとに感染してしまっている。眼を醒まして消え去らぬか、あるいは職場を放棄せぬものは、次第にこの魔法の効き目の影響下におかれることだろう。この魔法の実効を妨げたり、破壊しようとすることは、良い結果を生まぬだろう。あなたの人間性を矯正し、「イマジネーション」の名の下に反乱せよ−−さもなくば(この呪文の裏返しとして)、人類の敵として裁かれることになるだろう。
我々は、「全米詩人協会」あるいは「婦人反ポルノ十字軍」のような他の攻撃的な文化組織の名の下に、この行為に「自分のクレジットをつける」ことを提案する(正確な住所も添付すること)。
我々はまた、個人的な黒いジンを呼び出すことで引き起こされるあなた自身への作用に対してのバランスをとるために、あなたが愛し、あるいは尊敬している誰かや集団に対して、〈魔法の祝福〉を授けることをお薦めする。匿名で行うこと、そして贈り物は美しく飾ること。それには厳格な儀式は必要ではないが、その想像力は直感的/自発的な瞑想の領域における意識の鉱泉から湧き出すがままでなければならない。甘い匂いの香を焚き、赤と白の蝋燭を灯し、キャンディ、ワイン、花を飾ること。もし可能であれば、本物の銀、金、あるいは宝石をプレゼントの中に入れること。
この「マレーの黒いジンの呪い」のハウ・ツー・ドゥ・イット・マニュアルは、HMOCA(「第三のパラダイス」)内部の「達人会議」の「文化的テロリズム委員会」によって、伝統的かつ完全な儀式に則って準備されてきたものである。我々はニザリ=イスマーイール派の秘教主義者(エソテリシスト)であるが、それは「もの狂い」アラディン・モハンマド三世すなわち第七代にして最後のアラムートの聖者を通じてハッサン=イ・サバーまで我々の精神を辿ることのできる、シーア派の異端者、熱狂者のことである(アーガーハーンたち[イスマーイール派の首長の称号]を通じてでは〈なく〉)。我々はカオスの名において、ラディカルな法典遵奉と純粋な信仰至上主義を信奉し、そして、法や権威の〈すべての〉形態に敵対するものである。
現在のところ、戦術的理由によって我々は個人に対する暴力や呪いを提唱していない。我々は〈諸機関や諸思想〉に対抗する行動を呼びかけるのだ−−それは「アート=サボタージュ」とアングラのプロパガンダ(セレモニー的な魔法と「タントラ的ポルノグラフィー」を含む)である−−そして特に、「虚偽の帝国」の毒気に満ちたメディアに対抗した行動を。「黒いジンの呪い」は、「詩的テロリズム」のキャンペーンの最初の一歩を現しているに過ぎないが、それは−−我々が信ずるところでは−−蜂起のより明確な形態へと至るであろうものなのだ。
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