絵画の制作過程において、フィードバックを有した道具としてコンピュータが果たす役割について考えることをテーマとした作品。人とロボットとの絵画の共同制作の過程を通して、相互に生成されるイメージを読み取ることで発見される意味と、コンピュータが介在したときに起る道具の作用について問うている。
従来、描くという行為には、描きながら、描いたものに影響を受けることがある。対象以外にも過去に描かれた色や形、それ自体が描き手の次の行為を決定付けるフィードバックパスとして存在していることに着目すると、その質疑と応答のプロセスが絵画に残されたもの全てであり、読み手はそこから意味を発見することができる。フィードバックを有したコンピュータが制作過程に関わる場合、コンピュータが自らが調べて取った描画行為から意味は発見できるのか、本作品では、描き手は自らが描いた過去の色や形、同様にコンピュータが自ら調べて取る行為を捉えること、つまり、2重になったある種プログラムとしてのイメージと対峙することになる。
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